2011/02/28

自由の女神 函館の聖地に再び

再設置された女神像
「自由の女神」再設置、北海道新聞夕刊の記事を見て、さっそく現地に足を運びました。

 この周辺は、亀井勝一郎が「家の周りに世界の宗教が集まる」と言ったほどに各国の宗教があつまり、長い間対立をしてきたローマカトリック教会と東方正教会の教会が隣接するなど世界的に見ても稀有な地域となっています。

 函館開港以来100年、150年かけて形作られた、景観、雰囲気、空気というものがそこにはあります。現地に立ってみないと分からないものです。

 この環境を大切に守ってきた、これからも守っていきたいと多くの市民や函館に何度も足を運ぶ函館好きの観光客は考えていると思います。私はそう思う市民の一人です。
                     

女神像(左)の奥にカトリック教会(右)が見える
 元町カトリック教会がライトアップされ夜闇の中、一際美しい姿が浮かび上がります。おりしも今夜ははこだてイルミネーションの最終日。女神像はどういう思いで二十間坂のイルミネーションを見つめているのか。

 私は「自由の女神像」を置くこと自体には反対はしない、その設置場所が問題なだけです。残念なのはこの設置をすすめる企業が函館の企業だと言う事です。

 函館に生まれ育った私には、この場所は函館にとって歴史的、文化的にも他に変えられない、後世に受け継ぎ守っていかなければならない場所のひとつということがわかります。 函館の人気はこの変わらない函館らしい景観があるためともいえます。その景観があるからこそ、リピーターとなって2度3度も函館に足を運んでいただけると思います。

二十間坂のイルミネーション
  
 函館で商売をするのであれば、販売する商品に責任を持つのはもちろん、商売をする土地の歴史、文化を学び、尊重する姿勢も求められると思います。

 この自由の女神像は、この企業、店舗の広告塔に過ぎません、この場所にはあまりにも不似合いだと思います。女神像に
はもっと他のふさわしい場所があるはずです。



元町カトリック教会

 ニューヨークの自由の女神像は、アメリカの独立100年を記念してフランス政府から1886年に贈られ設置されたものです。日本とフランスとの交流は1844年、函館とフランスとの交流は1855年に遡ります。

 いま函館にはこの日仏文化交流によって、たくさんのフランス文化が根付いています。カトリック教会、修道院、私立の中学、高校、レストランなどなど。五稜郭で行なわれている、市民創作「野外劇」もフランスルピデュフ村の野外劇を参考に毎年、市民や観光客に感動を与えています。その五稜郭もフランス人軍人、建築家ヴォーバンの軍事要塞の特徴が随所に見られ、ヴォーバン様式とも呼ばれるそうです。

 函館のとくに観光地で商売を行なう企業家には、くどいようだがこの函館のもつ歴史、文化をしっかり学んでいただきたい。

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