2011/03/04

100年後の函館の姿?


通称「高台」から函館山を望む(亀田本町)

函館の玄関口、JR函館駅前にはいたるところに空き地が広がっている。

函館駅の次は五稜郭駅、この間3.4Km
いまや1本を除いて特急列車の停車駅となっているこの五稜郭駅前は函館駅前以上に空き地が広がっている。

函館市亀田本町。昭和48年12月1日函館市と合併するまで亀田市本町と呼ばれていたところだ。昭和30年頃まで低湿地帯が広がっていたが、その後、住宅街化して駅前には商店街も形成、昭和53年まで市電の終点もあった。

 この亀田本町にはJR函館本線と並行して南北に国道5号が走る。以前は片側1車線の田舎道だったが、国道5号亀田拡幅事業で幅員55m、片側2車線の立派な道路になり渋滞も緩和された。拡幅の結果、国道沿いにあった商店街はなくなった。道路改良の結果、交通アクセスが改善され大型電機量販店が2店舗立地している。


トキの家(青いトタン屋根の住宅)
 五稜郭駅の裏(線路の反対側)には市立函館病院の建物が威容を誇る。

国道の東側、JR線路と反対側は広大な原野の中にポツリポツリと家が建っているとの表現がふさわしいほど、空き地が広がっている。中には主を失った家が自然に朽ち果てる過程の中にあるもの、すっかり朽ち果ててばらばらになっているところもある。

映画”海炭市叙景”で「ネコを抱いた婆さん」トキの住居として登場する家もこの一角にある。
映画では、ここは再開発される土地として描かれる。立ち退きを拒否するトキを説得に訪れる市役所職員を俳優・山中崇が演じている。

 この五稜郭駅前の広大な土地の所有者はH社と聞く、函館の大規模土地所有者は建設するよりも、建物を壊して、空き地にするのが好きなようだ。函館駅から3.4Km。札幌に例えるならば札幌駅から3.9kmの琴似駅前に相当する、大変便利で立地条件も良い場所である。五稜郭駅前を民間活力によって再整備する必要がある。高層と低層の共同住宅を建設して人口増を図る、高齢者と若者が顔の見える形で生活出来るような居住空間を目指す。五稜郭駅前が人口増で活気が出ると、その恩恵は函館駅前・大門地区の集客にもプラス効果をもたらすだろう。

 いま函館の中心市街地の空洞化は目を覆いたくなる状況、2035年の人口推計は17万人、何もしなければ100年後の函館は五稜郭駅前のような姿になってしまう。そうならないためにも、大規模土地所有者の方々は、これ以上地価が下がり、資産価値が目減りする道ではなく、土地を有効活用して函館の衰退を食い止め土地の資産価値を高める道を選択してもらいたい。

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