2012/09/02

函館・西部地区の景観(上)

 
 函館市大町の海岸通りには歴史的建造物が点在する。
上の写真は1909(明治42)年、海産商・森宇兵衛商店として建てられ現在、市の景観形成指定建築物となっている「民宿室屋」の建物。
 
 大町は、寛政10年(1798年)発行の絵図、享和元年(1801年)の箱館全図という地図にも大町が登場するくらい古い町。大町の海岸通りは万延元年の箱館地図では現在の海上自衛隊あたりから、臨海研究所(旧西警察署)方向に大町は4丁目まであった。
 
 



民宿室屋のならびには、明治42年頃の建築とされる木造の洋風建築、現在はカフェ「モストゥリー」として営業している建物があり、

そのとなりには、明治18年に遠藤吉平商店としてれんが造白漆喰塗りの白亜の美しい建物がある。現在はcafe dining JOEといて営業している。




そこで残念な景観に遭遇していまう。
室屋とモストゥリーの間に平成22年に出来た民間の5階建て賃貸マンションとその駐車場。

左右の景観に配慮した建て方ができなかったのか、地元資本の企業が開発した工法による集合住宅と思うが、この場所以外であれば問題がないが、なぜここにこのデザインの建物なのか、非常に残念である。
 
 
 景観の連続性を損なわない配慮が地元企業だからこそ求められている。
 いまだ撤去されない二十間坂の「自由の女神像」など函館市内には、函館、西部地区の歴史性などを全く理解していない、地元企業家たちによる醜悪な建物がいくつかある。自己に利益だけではなく、地域全体の利益のことを考える企業家になってほしい。
 
 


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